本記事では、情報セキュリティマネジメントシステムの特徴や要素、取得するメリットなどを解説します。
情報セキュリティマネジメントシステムとは、企業など組織における情報セキュリティの管理運用に関する仕組みをいいます。認証評価制度(ISMS認証)があり、取得することでセキュリティ管理やマネジメントの適正性を証明できます。
サイバー攻撃や内部不正による情報漏えいは相次いでおり、いつ・どこで狙われるかは予想できないのが実情です。自社のネットワークが狙われる可能性も否定できません。そうした万が一の事態に備えるなら、ISMS認証取得を目指して体制を整えるとよいでしょう。
ISMSで特に重要な要素が次の3つです。
機密性は、許可されていない者に対して情報を開示・利用させないことを指します。情報にアクセスできる者を厳しく制限し、かつデータを厳重に管理する仕組みが求められます。
完全性は情報・データの正確性を指します。たとえデータの機密性を確保しても、アクセスを許可した者によって改ざんされては意味がありません。機密性が高いデータは編集ができないようにするか、改変履歴・バージョンを管理する方法の確立が求められます。
可用性は、許可された者が必要な時に情報へアクセスできる状態にあることをいいます。仮にデータが失われたとしても、他の場所へコピー・バックアップを取り、利用できる状態にすることが求められます。
JIS Q 27001:2023(ISO/IEC 27001)は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の要求事項を定めた規格です。組織がISMSを確立、実施、維持、継続的に改善するための基準を提供しています。リスクの変化に対応する柔軟な基盤を構築し、情報セキュリティ要求事項を満たす能力を内外で評価するために活用されます。組織の状況や規模に応じて適用され、内部監査や第三者監査の基準としても利用可能です。また、「何を行うべきか」に焦点を当て、汎用的な適用が可能となっています。
ISOマネジメントシステム規格(MSS)の共通要素を採用しており、情報セキュリティに特化したISMS固有の要求事項を規定した規格です。本文はMSS共通の構成となっています。JIS Q 27001:2023の構成は次の通りです。
JIS Q 27001:2023は、全組織に適用可能な要求事項(本文)と、事業特性に応じて除外可能な管理策(附属書A)で構成されています。情報資産のリスクを特定し、適切な対策を講じなければいけません。適用除外はISMSの能力や法規制に影響しない場合に限られ、その理由を「適用宣言書」に明記することが必要です。この宣言書は、管理策の採用・除外理由や独自策の内容を記載し、信頼性確認や情報セキュリティ維持に活用されます。
ISMSは認証制度があり、取得することでさまざまなメリットを受けられます。
ISMS認証を取得すれば、自社のセキュリティ管理に対する適正性をアピールできます。ISMSは国際規格のISO/IEC 27001と整合性が保たれており、高度なセキュリティ対策を施している組織が認定を取得できます。
そのため、ISMS取得後は自社のセキュリティの取り組みを内外へアピールできるほか、顧客や取引先の信頼性を高めることが可能です。
また、社員のセキュリティリテラシー向上にも寄与します。ISMS認証は取得が難しく、一般的なセキュリティ対策よりも高度な取り組みが求められます。社員の意識改革も必須で、セキュリティ教育・研修も必要になるでしょう。
一方、ISMS認証取得に向けた取り組みを推進すれば、社員のセキュリティに対する意識は向上します。情報管理体制も強化されるでしょう。
ISMSは機密性、完全性、可用性の3要素で構成されており、それぞれの領域でセキュリティを高め、情報を保護する体制の構築が求められます。一方、認証を取得すれば自社のセキュリティの高さをアピールできます。自社のセキュリティを高めたいなら、取得を目指して取り組みを進めるのもよいでしょう。
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